「広島記念病院に勤務、2006年1月に脳出血を発症した産婦人科医師(47)が労働基準監督署から過重労働で労災認定を受けていた…」という要旨のニュースが2、3日前にありました。産婦人科医の、夜勤と日勤が連続するという過労が全国でこの10年慢性化しています。産婦人科医師は夜中も分娩で労働するのが普通ですから、3人4人の医者が交代体制をとらないと徹夜続きがすぐに現実になります。でも産婦人科医は減る一方で、拠点の病院なのに産婦人科医師がたった二人という病院がすごく増えています。どうも医師や看護士の過労の話は「患者のために徹夜で頑張る立派な人」という美談にされがちなんですけど、これ、過労がたたって次の患者の危険につながる危険なんだという事にそろそろ世の中が気づかないといけないんですよ。 ちなみに、話を夜行バス運転手に変えてみましょう。昼もバス運転、夜も徹夜でバス運転、と3日徹夜続きの運転手が、今、自分の乗っているバスの運転手だとしたら、乗客は「仕事熱心な運転手だ!」と喜ぶでしょうか。「徹夜続きの運転手?居眠りで事故起こしてくれたら困るぞ」と気づいて、きっとバスをおりますね。(今年)2007年2月、大阪府吹田市でスキーバスが橋脚に衝突して27人が死傷した事故、「あずみ野観光バス」(現ダイヤモンドバス)社長は、運転手に休暇を取らせていたように見せ掛けるため、書類にでたらめを書いてました。「市場原理の導入」とか「競争で価格低下とサービス向上」と調子の良い自由競争が行き着く先は、労働者の過労と消費者の被害になる、というわかりやすい例です。産婦人科医の徹夜は妊婦と赤ちゃんを危険にさらします。本気で医療費増やして医者の数増やさないと産科の現場は事故が増えるだけですよ。(参考記事1「過労死基準超える残業」)(参考記事2「産婦人科の医師不足」)(参考記事3「周産期医療:病床不足や超過勤務…」)もどうぞ。10年以上「医療費を削減する」とか唱えている日本の厚生省は現場を一度もみた事のない集団なんでしょうかね。舛添厚労省大臣さん読んでますか?(読まないでしょうけど)
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